嘘から始まる恋




誰か他にも一緒に食べるのかな?と呑気な事を考えていると、私の目には嬉しそうに近付いて来る裕也くんと、その後ろを歩く成瀬くんの姿が飛び込んできた。



「ごめん、遅くなって」


「いいよ〜。座って」


嬉しそうな純ちゃんは裕也くんと成瀬くんを座るように促した。



「えっ、ちょっと待って!一緒に食べるの?」


「そうだよ」


「あれ?理子ちゃん、一緒に食べるって知らなかったの?」


一人慌てる私にマイペースな二人。


成瀬くんは王子様演じたまま黙っている。



「裕也、王子と友達だから、特別に一緒にお昼食べる約束取り付けてもらったの」


いいでしょ?と小さい声で話してくる純ちゃん。



いやいや、彼氏にそんなこと頼むなよ。


つーか裕也くんも他の男子誘うとか断りなよ…。



変わったカップルだよ。


はぁ〜と溜め息をついてしまう。



こんな状況にドキドキしてるのって私だけなんだろうな…。