「私、成瀬くんの考えてることが分かんない…」 「俺のこと?」 眉をしかめる。 「言いなりになれって言ったかと思うと、急に解放したり、意地悪だと思ったら優しかったり…」 昨日は無視したくせに、今こうやって迫ってきたり、成瀬くんが分かんない。 ダメだ、泣きそう…。 「…本気で言ってんの?」 冷たい低い声が響く。 「分かんないよ!」 思わず大きな声が出てしまう。