嘘から始まる恋




放課後、一人寂しく下駄箱へと向かう。


純ちゃんは裕也くんと帰るし、私は成瀬くんから解放されてから山中くんと帰ることが多くなった気がする。



「山中くん、待たせた?」


「ううん、俺も今来たとこだから」


ニコッと優しい微笑みを向けられ、学校を出る。



このまま山中くんと付き合った方が幸せなのかな…なんて考えながら、山中くんの隣を歩く。


前までは隣にいたのは成瀬くんだったのにな…。



成瀬くんはどうして急に解放したのかな?


まだ一ヶ月経つまで数日残ってたのに…。



「工藤さん?」


「えっ?あ、ごめん…」


山中くんの声かけに我に返る。


ダメだ、また成瀬くんのこと考えてた。



頭の中を成瀬くんが占めてるよ。