「ゴメンね、洸樹。 また後で。」 「おぉ」 あたしは梨緒と 滅多に人が通らない廊下に 来た。 なにこの空気は? 洸樹と喋んなって? 聞かない、そんなの。 あたし、なぜか洸樹は あんたに好きに されて欲しくないの。 わかる? 「ってかさぁ~ 菜穂、なんで洸樹のこと 名前で呼んでんのぉ?」 「は?意味が わかんないんだけど。 あんたに言う権利なくない? 前から思ってたんだけど そういうのウザいの。 洸樹はあんたのモノじゃ ないから 自分のものみたいに 束縛しないで!」