「藍って呼んでいい?」
「うん」
「じゃあ、津って呼んで」
「分かった…」
ほんのちょっと前までは青山は友達で片思いで、なのに今は彼氏で両思いなんだよね?
津はあたしの彼氏、なんだよね?
「藍、抱きしめていい?」
「え!?」
「だめ?」
「いや、いいよ…」
そう言うと、津は優しくあたしを包み込んだ。
たまたま手が触れることはあった。
なのに、今は津の腕の中にいて抱きしめられてて。
男子に抱きしめられるのなんて初めてじゃないし、彼氏も初めてじゃないのに、すごく緊張してる…。
何も話さないからあたしの心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかって心配だった。
「俺から離れんなよ」
「うん…」
あの意地悪男がこんなこと言うなんて想像もつかなかったのに、
付き合うなんて妄想さえ出来なかったのに、
嬉しくてしょうがなかった。
「藍、目閉じて」
津にそう言われゆっくり目を閉じる。
「藍、好きだよ」
そう言うと、津はあたしの唇にそっとキスをした。
「好きだよ」なんてあたしが1番聞きたかった言葉。
他の誰かに言われる言葉はあたしの心に届かなくて、
ずっとずっと欲しかった言葉。
「離れんなよ」はあたしのほう。
あたしから離れないで、ずっとずっと側にいて。

