「すみません、遅れました」
「早く席つけ」
授業が始まって2分ちょいにあたしと美華は教室に入った。
でも、青山はその授業の時間に戻ってくることはなくて…。
もしかして、付き合うことにしたのかな?
だって、振ったら普通は授業受けるよね?
なんだろう…、気になって仕方ないんだけど。
「藍?授業終わってるけど」
「え?あ、ごめん!」
「もしかして、青山のこと?」
「なんで分かるの?」
「え、なんでかって?」
「うん」
「あのね―」
「…えぇえ?! 」
「うるさい」
「いやいや、え、何言ってんの?」
「藍の心の奥底の気持ちを言ってるんだよ」
「意味分かんないよ!」
「分かるでしょうが」
今、美華に言われたことは嘘だと言いたい。
嘘だと言い切りたい。
まさか…あたしが?
それも、どうしてあたしより美華が知ってるわけ?

