あたしのヒステリックな態度とは反対にクスクスと笑う彼。
その顔もやっぱりきれいだから悔しい。
「じゃあ俺が買ってあげるよ」
「え、ほんとに!?
…っ、じゃなくて、結構です」
「…まじで持ってないのか」
そう言って彼はため息をついた。
ため息をつきたいのはこっちだ。
あんなに拒否していたのにまだ疑われてたのか。
「だからそうだって言ったじゃないですか」
「いやでも、女子高生だし」
「女子高生はみんなもってるわけじゃありません!」
もう、なんなの。恥ずかしい。
っていうか、もう拭き終わっちゃったじゃない。結局手伝ってくれなかった。薄情者!
「じゃあやっぱ買ってくるよ、楽しみにしてて」
「いや、ほんと冗談もそこそこにしてください!」
彼の言うことはうそなんだかほんとなんだかわからないから余計にこわい。
そんなことよりバイト手伝ってもらった方がよっぽど嬉しいのに。
彼がカウンターに立ったら…うん、間違いなく繁盛。
バイト代もきっとあがる。
切れ長の目、通った鼻筋、あたしの半分くらいの顔の大きさ、なのに身長はあたしより30センチはデカイんじゃないか。キャラメル色の髪の毛は無造作にワックスでアレンジしている。
キャラメル色、うらやましい。

