あのダメ親父とマスターが知り合いらしく、最初の夜逃げのときに困ったらここに行け、という置き手紙があったのが始まりだった。
最初の夜逃げは3年前だから、あたしはまだ中2で。
朝起きたらお父さんがいなくて、置き手紙だけがおいてあった。
あたしは訳もわからず、とりあえず書いてある住所に半泣きで行ったことを今でも覚えている。
マスターも今よりまだ若くて(といっても推定40歳だった)、髪の毛ももっとたくさんあった(今は後頭部が結構きている)。
そのマスターはあたしを見るなり、頭をかかえて「やられた」、と呟いたのである。
この呟きの意味は今でもわからない。

