「梨乃ちゃん?」
「ああゴメンネ」
ぼーっとしていると、夏奈子がのぞき込んでくる。
うん、やっぱり顔は可愛い。
どうしてこう、あたしの周りには顔はいいのに、性格が謎の人が多いんだろう。
「今日は梨乃ちゃんの席でいいですか?」
「いいんじゃない?」
「じゃあ椅子持ってきますね!」
ニコニコしながらあたしのところに椅子と可愛らしく包まれたお弁当を持ってやってくる。
「この席ぽかぽかですよねー。
暖かそうで羨ましいです」
「夏奈子の席は寒そう。
あたし絶対無理」
窓際のいちばんうしろの席はくじ運のわるいあたしが全身全霊をかけて引き当てた席である。
ストーブと日光で、家よりずっと暖かいこの席はあたしのお昼寝に最適なのだ。

