オリオンの砂時計

今日も歩道橋の上は風が強い。
ここからは私がいつも行く本屋と、小さな墓地が見える。
冬にひなたぼっこするのはきもちいい。
墓石たちにも昼の光が当たって、眩しく光る。
松本家の墓……川田家の墓……どの墓石も角ばって、黒や灰色をしてて、冷たい。
死んだら、骨だけになって、しかも粉みたいな、それで壺の中に入れられるんだ。
そして肉親と一緒の墓石の下に並べられる。
私はそうはなりたくない。
螺旋階段の歩道橋をおりて、墓地の横をゆっくり歩く。
この小さな墓地の中に、何人の人が入っているんだろう。
中は暗闇。きっと湿っていて、寒いだろうな。
生き生きした花が供えられている墓はほんの2、3ヶ所。私は死んでまで肉親と一緒にジメジメしたところに入れられたくない。
死んだら、私が死んだら肉体の使える部分、内臓とか、眼球とかは全部使っちゃってください。それで助かる人がいるなら。
骨は捨てちゃってください。
よろしく。