オリオンの砂時計

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歩道橋にのぼると、冬の風がよけい強く速くふきつけてくる。
下を覗き込むと、潰れたマックの紙コップが見える。
紙コップの上に自分を同じカタチに重ねてみる。

目を閉じる。
そうすると地面よりも空に吸い込まれそうになる。
小さい頃から空に吸い込まれる感覚が、私は好きだった。
鉄棒にぶら下がって、だるまさんの格好になる。布団干しの格好でもいい。
そうすると空が自分の下側にあって、果てしなく吸い込まれていきそうな、そんな感覚。
底なし沼より、あり地獄の巣よりもずっときれい。
どうせ吸い込まれるんなら、私はあんなきれいなそらに吸い込まれたい。