オリオンの砂時計

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はやく家を出たい。
無神経なチチオヤ。
心配性の母。私がこうなった今、私よりよっぽど苦しいだろうに、なんで我慢するの?
なんで自分の人生、生きようとしないの?
お母さんはお母さん自身の幸せだけを考えてよ。
私に、親より先に死ぬのはやめて、自分のことを傷つけるのだけはやめて、という。
あなたに幸せになって欲しいと思ってる、と。
私は世界で一番の親不孝者。
私の人生をいつまで乗っ取っていくつもり???
苦しさを訴えると、母は私に寄り添い、抱きしめてくれる。
そして一緒に涙を流して
「あなたに幸せに生きてもらえたら、私はそれが一番の幸せなの」
という。
違うよ、オカアサン。
私は、私の生きたいように生きる。
いつ、どこで、なにをするのかも、自分で決める。
それで幸せになっても不幸になっても、自分で決めたことをやりたい。
そりゃ、幸せ感が多いほうが嬉しいけど。
私の幸せは、オカアサンの幸せじゃ、決して、ない。
私がこの家から出て行っても、私がどこで何をしていても変わらない、自分だけの人生を生きて。
もう私はあなたの人生の代わりはできない。