私は剛と別れて以来脱け殻状態が続いていた。



嫌だった食事もますます食べなくなっていった。



今日も学校から足早に帰って部屋にこもった。



しばらくして私にとって地獄のような時間がやってきた。



楽しそうに階段を登ってくる二つの笑い声が聞こえてきた。



そしてバタンと私の隣の部屋に入って行く音が聞こえた。



楽しそうな笑い声が響いてきた。



その声だけでも妬ましくて頭がおかしくなりそうだ。



それなのに…。



突然隣の部屋の声がぴたっと止まった。



(くる…。)



次の瞬間ミシミシとベッドの軋む音が聞こえてきた。



耳を塞ぐが音が完全に聞こえなくなることはなかった。



この間まで私もあんな風に剛と愛しあっていたのに…。



怒りで涙が出てきた。



怒りがこらえきれなくて、私は机に出ていたボールペンで何回も枕を刺した。



しかしいくらそんなことをしたって私の気が晴れることはなかった。