強欲な女

私には二歳上のお姉ちゃんがいた。



私と違って母親から気に入られていた。



明るい性格の姉は学校の先生からも好かれていた。


そんな姉を母はいつも隣に置いていた。



まだ小学校低学年の頃、母と姉とデパートに行ったことがある。



母はいつものように姉をと並んで歩き楽しそうに会話をしていた。



私はいつもの様にそんな二人の後ろを歩いた。



『ドン！』



私は隣を歩いていたおじさんとぶつかった。



｢馬鹿やろう！どこ見て歩いてるんだ！｣



私に罵声を浴びせるおじさん。



助けを求める様に私は母親の方を見た。



しかし母親はそんな様子に全く気付かずに姉と楽しそうにスタスタと歩いて行ってしまった。



｢お母さん………。｣



私は自分はいらない存在なんだと思い知らされた。