強欲な女

剛と別れてから一気に楽しみが無くなった。



前は剛と会うのを楽しみに学校生活も親も我慢してきたのに………。



「真美〜夜ご飯できたわよ。」



私は食事の時間が嫌いだ。


うちは家族全員で食べるから……。



「おっ、今日は鍋か。」



大好物のキムチ鍋に父親はご機嫌だった。



私は父のことも余り好きじゃなかった。



小さい頃は何かあると殴られてもいた。



鍋の真ん中に箸を入れ具を取る父。



(汚い…………。)



しかもご飯にむせて咳こんだ時に唾とご飯粒が鍋の中に入った。



(こんなもの食えるか……。)



「……ごちそうさま。」



「あら、真美もういいの?お風呂また呼ぶわね。」



私はお風呂も嫌いだ。



うちは考え方が古いので父親が一番にお風呂に入る。


父はお風呂の中で体を擦っているらしく、浴槽の中はいつも父の垢まみれなのだ。



古くてすきま風だらけの風呂場なのに冬に浴槽に浸かれないのは辛い。



なんでこんな家に産まれてきてしまったのか。



もっとお金があって自由にさせてくれる家に産まれたかったな………。