「……はぁ………。」



お腹の痛みが無くなった。



しかし助産婦達は険しい表情をしていた。



「先生泣きません…………。」



聞こえてくるはずの赤ちゃんの声が聞こえてこない。



赤ちゃんを必死で泣かそうとする先生。



私は今起きてることが別世界で起きているかのように感じた。



一体何が起きているの…………。



ふと手に暖かい温もりを感じた。



紗季さんが涙目で私の手を握り祈っている。



そうだ私の赤ちゃん………。



そこにはまだ産声をあげていない私の赤ちゃんがいた。



「お願い泣いて………。あなたのお父さんもあなたに会うのを楽しみにしてるの………。お願いだから……あなたまで私の前からいなくならないで………。」



泣き崩れているとふと誰かに呼ばれた気がした。



『真美………。』



そこにはいるはずのない姿があった。