「おめでとうございます。この小さな丸いのが赤ちゃんです。」



もらったお腹の中の子の写真を嬉しそうに見る恭平。



お腹に子供がいる。



「出産を希望されますか?」



「えっ………。」



先生の言葉に私は返事をすることができなかった。



アパートに帰るまでの車の中、恭平と一言も話さなかった。



(産むと言えなかったから怒ってるのかな………。)



部屋に入ると私をそっとソファーに座らせた。



「疲れただろう。大丈夫か?」



いつもと変わらず優しい笑顔でそう言う恭平とを見ていたら涙が出てきた。



「真美が産みたくなかったら無理して産まなくてもいい。」



「違うの!産みたくない分けじゃない………。」



私は産むのが恐かった。



私が子供を産むなんてみんな許してくれるのだろうか?



産んであげれなかった前の子は………お母さんは…お姉ちゃんは…お婆ちゃんは………。