「ごめんな。本当はもっとゆっくりしていきたいんだけど。」



潤はバイトを増やしたため勉強が追いついていないらしい。



「そんな事全然いいよ。少しでも会いにきてくれて嬉しかった。勉強頑張ってね。」



私はそう言って玄関から手を振って潤を見送った。



「あっ、忘れ物した。」



そう言って私の方へ戻って来る潤。



「何忘れたの?取ってこようか?」



「真美……。」



そう言うと潤は私の腕を引っ張って力強く抱きしめた。



「大好き。」



優しく私に口づけをする潤。



私はそんな潤の言動に脳みそがとろけてしまっていた。




だからここがドアの外だということをすっかり忘れてしまっていたんだ………。