強欲な女

一気に盛り上がっていた気分が冷めた。



肩なんて抱いて勘違いさせて欲しくなかった。



「夜だしちょっと冷えるな。そろそろ行くか?」



「はい。」



帰りの車の運転は私が酔わないように気を使ってゆっくりにしてくれているのが分かった。



車はどんどん私の家に近づいて行った。



(あれ?家具運ぶんじゃ………。)



そう思ったけど自分からそう聞くのはまるで家具を下さいと言っているみたいだから言わなかった。



特に恭平さんと何を話すわけでもなくアパートに着いた。



「今日はありがとうございま………。」



私がお礼を言おうとすると、アパートの前に止まっていたトラックから人が出てきて真っ直ぐこっちに向かってきて車の窓を叩いた。



「どの部屋に運ぶんだ?」



車の明かりに照らされた顔を見てみるとこの前の恭平さんの友達だった。



「えっ………。もしかしてトラックで持ってきてくれたんですか?」



「そうだよ。恭平の意中の女のためなら運ぶしかないだろ?」



またこの人はそういうこと言って私を勘違いさせるのは止めて欲しかった。



(元はといえばこの人が余計なこと言うから………。)



と思いながらもにっこりと笑顔でお礼を言った。