私は行く当てもなくフラフラと街を歩いた。



展望台に入り最上階から下を覗いてみた。



「高い………。」



覗いてみただけなのに足がすくんでしまう。



飛び降りる勇気なんて私には無かった。



根性のない私は結局私は死ぬことも出来なかった。



これからどうすればいいのか分からない………。



「真美!」



振り返るとそのまま暖かい腕の中へ引き寄せられた。



「やっと見つけた………。」



「潤…………。」



私は潤の腕の中がすごく温かくて気持ちが緩み涙が出てきた。



「ごめんな真美。一人で辛い思いさせて本当にごめん。」



潤は私が困っているといつも来てくれる………。



私をこんな風に抱き締めてくれる人がまだいた………。



潤の為に生きていこう。



私はこの時確かにそう思った。