強欲な女

クリスマス。



剛はテストの成績が悪かったからクリスマスだというのに補習授業に出なくてはいけなくなったらしい。


「ほんとごめん!」



電話で必死に謝る剛。



「仕方ないよ。しっかり勉強してきてね。」



とは言ったものの……。


隣では彼氏とデートで街に行くと浮かれて化粧をしている姉。



羨ましくてしかたなかった。



(ほんとなら私もデートだったのに………。)



「行ってきまーす!」



姉が家から居なくなって少し惨めな気持ちから解放されたのに………。



「ただいま〜。」



ほんの数時間で帰ってくる姉。



どうやらクリスマスだし部屋でまったりといちゃつく気らしい。



姉部屋からは楽しそうな笑い声が聞こえてきた。



(私は一人寂しくいるのに………。)



妬ましくてイライラした。


笑い声がしなくなったかと思うと、ギシギシという音が聞こえてきた。



私は寂しさ限界で涙が溢れ出てきた。