電話越しの君へ



『あの…綾瀬さん、
ちょっといい?』




放課後、同じクラスの仲間くんに呼ばれた。




――…




『……で?』




「告られた」




『うそだろ』




夜、また杉本から電話がかかってきた。




『仲間と何話してたの』と聞かれたから正直に私は答える。




「でもこれで、やっと私恋バナできるようになったね」




あはは、と笑ったが、杉本は笑ってはくれない。




ただ、真剣な声で一言『付き合うのか?』と聞いた。