「聞ーてる?」 顔を覗き込まれてハッとする。 「き、聞いてる聞いてる」 「そうか。 で、出た数をここに代入…」 そうだよ、せっかく杉本が教えてくれてんだから私はそれに応えるんだ。 負けじとノートにシャーペンを走らせる私に杉本が薄く微笑む。 そんな調子で私たちは閉館するまで勉強していた。