電話越しの君へ



「おい、綾瀬」




次の日の放課後、帰ろうと思ってたら声をかけられた。




「なに杉本。
私早く帰って勉強したいんだけど」




「お前の口から勉強って言葉が出てくるなんてな…」




なんだこいつ
会って早々嫌味かい




「ちょっと来いよ」




「え」




そのまま
腕を引かれて学校を出る。




たどり着いたのは近所の公民館だった。




「なぜに?」




公民館の大きな机に二人で座ってから私は尋ねた。




「……勉強しろ」




「は?」




「見ててやるから勉強しろよ。わかんないとこも教えてやるから」




「……なんで?」




「頑張って欲しいんだよ」




あ……
ちょっとキュン。