100万回の愛してる






 「なぁ健。俺心臓バックバクしてんだけど・・・」


なんか口数が少ないと思ったらそういうことか

 


 俊が喋らないときは、緊張しているときか何かに対して集中しているときだけ。


ただ、ここまで喋らない俊を見るのは俺も初めてだった。




  「ピーーーッ!!」


 顧問らしき人が笛を鳴らすと、部員たちが整列した。


「体験入部を希望する1年はここに並べ!!」

 


 顧問が体育館が揺れるような声で言ったので、俺たちは急いで整列する。



2年生や3年生と向き合うような形だ



 ざっと20人はいるであろう1年生たちは、それぞれが緊張しながら並んでいる。


 

 「今日から3日間、体験入部として1年生には入ってもらうことになっている。

   体験で怪我をしたら話にならないから、軽めになると思うが入ったらそうは

  行かないからな」


 



顧問の先生が俺たちに向かって言った。