亡き母の無思運必ーむしうんひつー

『なんか困った事があったらいつでも俺に言えよな』


…まさかね。


《よろしく》


隣の男の人が、ノートを私に差し出した。


私は急いで鞄の中から筆箱を出し、黒く汚い鉛筆でノートに書いた。


《こちらこそ、よろしく》


男の人はニッコリと笑った。


とても優しそうな人だった。