お母さんは
ひとりで私と兄を
ここまで育ててくれた
お父さんは私が
2歳のときに
病気で亡くなったらしい
私にはお父さんの記憶がない
お父さんがいたらと
思うときもあるが
私はお母さんがいれば
それで良かった
高校に着いた。
たくさんの新入生で
校舎は溢れていた
「優亜〜!」
聞き覚えのある声
私が振り向くと
親友の美月が私に
向かって走ってきた
「美月おはよっ!」
美月は中学からの親友で
この高校も美月と
「一緒に行こう」
と約束して受験勉強に励んだ
受かったときは
美月と大泣きしたっけ
美月はほんとに
可愛くてすごく優しい
だけど飾りっ気がなく
さばさばしてるから
男女共に人気だった
