大切な人





まだ真新しい制服に
ゆっくりと袖を通す

着慣れない制服は
なんだかぎこちなくて
少し照れくさかった



「お母さん!おはよー」



私は駆け足で
ダイニングに走った



「おはよう、ゆあちゃん」



お母さんは
3つのマグカップに
ミルクティーを
注いでいるところだった



「今日は入学式ね」



そう言いながら
私の制服姿を見て
微笑むお母さん