大切な人





山吹くんとは席が隣だった。


「よろしくね。山吹くん。」

私は山吹くんに話しかけた。


しかし、返事がない。



『シカト!?ありえない!』


私はイライラしながら
山吹くんを見ていた。




大きな二重の目に、触ると柔らかそうな黒い髪、顔立ちもすごく綺麗な美少年だった。




『かっこいいからって調子のんないでよね!ふんっ』


そんなことを思っていると…



「ゆあ!席離れちゃったね〜」


美月が来た。



「ねぇ、残念。」



「てかさっ!隣の子かっこよくない?」



美月が小声で私に言った。


「ふんっ!所詮顔だけだよ。」



私は小声で言った。

…つもりだった。