秋江さんの身体は、ところどころに赤い痣と莨の痕、切り傷があった。それだけではない。手首や足首には、縛られたような痕もあった。
霧のように湯気が立ち込めている。
わたしは、何もできずに、ただ茫然とその光景を見詰めていた。雨を直に浴びて、身体が凍りそうなほど冷たい。
すでに、指の感覚が消えていた。
雨に濡れた髪が、顔や首にまとわりついて気持ち悪い。
相変わらず降り続く雨のなか、鍵を回す音が聞こえた。
ハッとして、わたしは表に回った。
「あら、どうしたの? 真っ青よ。寒かったにしても異常だわ。でも、奈津実ちゃんは色白だったわね。羨ましいくらい。」
夏江さんは冗談交じりに笑った。笑うと、両頬に笑窪ができる。
霧のように湯気が立ち込めている。
わたしは、何もできずに、ただ茫然とその光景を見詰めていた。雨を直に浴びて、身体が凍りそうなほど冷たい。
すでに、指の感覚が消えていた。
雨に濡れた髪が、顔や首にまとわりついて気持ち悪い。
相変わらず降り続く雨のなか、鍵を回す音が聞こえた。
ハッとして、わたしは表に回った。
「あら、どうしたの? 真っ青よ。寒かったにしても異常だわ。でも、奈津実ちゃんは色白だったわね。羨ましいくらい。」
夏江さんは冗談交じりに笑った。笑うと、両頬に笑窪ができる。

