それから、何日にも渡って家宅捜査が続いたが、結局遺書らしきものは見つからなかっ た。 日記も残されていない。 それどころか、秋江さんの部屋には、箪笥の中にワンピースと、数百万が振り込まれた通帳が残されているだけだった。 重要参考人とは名ばかりで、半ば容疑者のように夏江さんは何度も警察に呼ばれた。 だが、結局自殺の証拠ばかりが出てくるだけだった。 彼女の突然の自殺に、夏江さんだけが納得しているかのうに、落ち着いていた。 わたしは、その何日間か、自分が死んだかのような気がした。