「ここで願うと叶うんだ」

そう言う彼は、少し遠い目をしていたような気がした。


「どうした?」

急いで彼から目を放す。


「願い事…」


唯一、叶えてほしいとしたら…あたしの人生を返してほしい。

幸せに両親と暮らしたい。

まぁ、もう叶わないけど。


今の親に会うつもりはない。