SIDE.門田悠平 名前を呼ばれたので、悠平は顔をあげて声の持ち主を探した。 周囲のクラスメートは騒がしく昼食を取り始めている。おかしい、自分が待っていたのはハジメのはずだった。悠平はぼんやりとしていた。 タマと眼が合うなんて、どれくらい振りなのだろう。 「お弁当、一緒に食べよう」 「……うん」 期待はしていた。珠子の気が変わって、自分に再び近寄ってくるのでは、という自惚れがあったからだ。 珠子はあの非常階段へ、悠平を誘導した。悠平は黙ったまま珠子の背を追うしかなかった。