<…ひ・み・つ…>

七海とこの先、結婚まで考えるとなれば、まず新しい部屋を探して、七海を安心して迎えられる事のできる愛の巣を用意しなければ。


「野元くん!」

「あっ!!羽田さん。
おはようございます。」

久し振りに顔を合わせる
少し避けるように生活していたから…


「元気やったか?いつものとこ行こか?」


「あ…ハイ」

久し振りに僕らは茶店へ行った。

「最近避けられてるんちゃうか…て思うてたんやけどなぁ。」

「そんな…ただ僕、彼女ができたんで。」

「そうか!良かったな!!」

「で…引っ越しを考えてて、いい不動産とか探してるんです。」


気のせいか、羽田さんの顔が寂しい表情になった。


「引っ越しか、寂しくなるな〜。不動産なら紹介したるぞ」

「ありがとうございます。でも、昨日いいとこが見つかって」

「そりゃ良かったな。」

本当にいい人だ。

僕を気にしてくれている
親父みたいに

だけど、ヤクザなんだ

正真正銘のヤクザ

僕と羽田さんの住む世界は全然違う。