あの時の温度を忘れたかった




「わたし、馬鹿みたいですよね。気付いてたのに好きだったから離れられなかったとか」


「そうかね…?」


「そうですよー」


私と彼は初めはただの仕事仲間でした。私が後輩、彼先輩。彼の名前は鈴木一弥22歳。彼は、彼女と別れたばっかだった。

見た目、草食系なドレイプ男(服の種類がね)、中身ただのドSぽい人でも、彼は私のことをよく見ていた。人間観察が上手な人。

...そんな彼に私は元彼との話を、彼の車の中で何故か口が止まらないくらい喋っていた。

喋るたびにたまに辛くなって泣けてきた私に彼は優しく背中を撫でてくれた。







「自分の場合だと彼女に愛想がついたって言うか…三年付き合ったけどさ」


「その彼女さんと結婚しちゃえば良かったじゃないですか、」


「それもあるから別れたんだよ。自分と付き合ってる頃から気になってる人いたって言ってたし」


「...一弥さんいるのに酷いじゃないですか」



ハッキリ言って、基樹さんと私はおんなじ恋愛をしてる。と思う。何故かわかんないけどそんな感じがした。彼はしかも病む人だったし、家庭が離婚危機ってのも私と一緒だった