『今日の俺ツキがあるんだ。みてみなこれ』

彼は私に白いビニル袋を見せた。

そこには数個のお菓子と、ペットボトルの紅茶があった。

彼《この子》は私の心が見えてるかな。

いや、

そんなワケないか、

彼、馬鹿だもん。



彼はご機嫌だ。

だから多分、さっき私が提案した話を覚えていないと思う。
《提案した話ってのは、一緒にお祭に行こうってことね》

でも、もし彼が忘れていても、私は笑っていられる自信があった。


だって、さっき、鏡越しに自分で自分を励ましたから。


『なぁ、やっぱり俺ツイてるよ』
『バイトも欠勤の連絡を入れたし・・・・・・さてと、行く?』


私は一秒だけさっき彼が言った言葉を反芻した。

そして「やったね」と言葉を発した。


私って、あまり言葉で嬉しさを表現するのは苦手なの。

なんか、言葉にすればするほど、

その嬉しさや喜びって、くだらない言葉でしか表せなくて、

うん、だから私は嫌い。