芽衣子のはずんだ声が、わたしを傷つける。
わたしの隣にいる恋する女の子がウザくてウザくて仕方がない。
知ってるよ。
キラキラした目で見つめる芽衣子は、千宏が好きだもんね。
「話しかけてくれば?」
「無理っ!」
芽衣子は知佳の提案を、軽く否定しながらも、ちらちらとわたしの方を見た。
「何?」
だいたい分かってる。
この子はわたしが千宏と同じ部活だから利用するつもりなんだ。
はっきりしない芽衣子に、知佳がしびれをきらした。
「葎、ちょっと協力してやったら?」
“協力”なんて、凄く便利な言葉だと思う。
つまりは大人しく利用されろってこと。
まあ、それは日常的にお互い様だからいいけど。
「やだ」
今は嫌だ。
知佳は意外そうに、芽衣子は若干恨めしそうにわたしを見た。
「なんで?」
「千宏、この前部活やめたから」
それ以前から千宏とわたしは上手く噛み合わなくなっていた。
生徒会に入った千宏はなかなか部活に来なくなっていたし、もともと相性の悪かった価値観は、ますますお互いを遠ざけていた。
千宏が部活をやめたときにはお互い限界で、仲違い状態。
さらに、逃げるようにして部活を辞めた千宏が恨めしかった。
「千宏くん美術部辞めたの!?」
「まじっ!?なんで?」
正直あんまり触れてほしくない。
説明しろ、と言われても、いつの間にか仲がこじれてしまっていたのだから、わたしにだってわからない。
曖昧に誤魔化してみたけれど、芽衣子は不満げな顔でわたしを見たままだった。
「部活のことだし、メイには関係ないじゃん。しつこいよ」
「そうだけど…りっちゃん協力するって言ったじゃん」
図々しいったらない。なんで、恋する女の子は自分勝手なんだろうか。
「応援はするって言ったけど、協力するなんて言ってないよ。わたしが友達のために、わざわざケンカみたくなってる相手に話しかけるほどお人好しじゃないこと、知ってるでしょ?」
芽衣子はようやくわたしの苛立ちに気付いたのか、気まずそうに目をそらす。
知佳は関係ないと言わんばかりに無言を決め込んでいた。
居心地が悪くなって、わたしは勝手に自分の席に戻った。
わたしが悪いとは思わない。
言い過ぎた、とは思うけど。
わたしの隣にいる恋する女の子がウザくてウザくて仕方がない。
知ってるよ。
キラキラした目で見つめる芽衣子は、千宏が好きだもんね。
「話しかけてくれば?」
「無理っ!」
芽衣子は知佳の提案を、軽く否定しながらも、ちらちらとわたしの方を見た。
「何?」
だいたい分かってる。
この子はわたしが千宏と同じ部活だから利用するつもりなんだ。
はっきりしない芽衣子に、知佳がしびれをきらした。
「葎、ちょっと協力してやったら?」
“協力”なんて、凄く便利な言葉だと思う。
つまりは大人しく利用されろってこと。
まあ、それは日常的にお互い様だからいいけど。
「やだ」
今は嫌だ。
知佳は意外そうに、芽衣子は若干恨めしそうにわたしを見た。
「なんで?」
「千宏、この前部活やめたから」
それ以前から千宏とわたしは上手く噛み合わなくなっていた。
生徒会に入った千宏はなかなか部活に来なくなっていたし、もともと相性の悪かった価値観は、ますますお互いを遠ざけていた。
千宏が部活をやめたときにはお互い限界で、仲違い状態。
さらに、逃げるようにして部活を辞めた千宏が恨めしかった。
「千宏くん美術部辞めたの!?」
「まじっ!?なんで?」
正直あんまり触れてほしくない。
説明しろ、と言われても、いつの間にか仲がこじれてしまっていたのだから、わたしにだってわからない。
曖昧に誤魔化してみたけれど、芽衣子は不満げな顔でわたしを見たままだった。
「部活のことだし、メイには関係ないじゃん。しつこいよ」
「そうだけど…りっちゃん協力するって言ったじゃん」
図々しいったらない。なんで、恋する女の子は自分勝手なんだろうか。
「応援はするって言ったけど、協力するなんて言ってないよ。わたしが友達のために、わざわざケンカみたくなってる相手に話しかけるほどお人好しじゃないこと、知ってるでしょ?」
芽衣子はようやくわたしの苛立ちに気付いたのか、気まずそうに目をそらす。
知佳は関係ないと言わんばかりに無言を決め込んでいた。
居心地が悪くなって、わたしは勝手に自分の席に戻った。
わたしが悪いとは思わない。
言い過ぎた、とは思うけど。


