「渚は何をサンタさんにお願いするのー?」

まだ幼い子どもが2人、夜空の下の部屋の窓から話している。

「俺は……なんだろうな?」

「何それー!サンタさんが困っちゃうよ?」

「でも、欲しいものないんだもん。千紗はお願いしたの?」

「勿論だよ!私はね、サンタさんに星をくださいってお願いしたんだよ。」

上に手を上げ、満天の星空を指差す。

「星?そんなの無理だって!千紗のお願いめっちゃサンタさん困ってるんじゃね??」

「えぇ……。そうなの…?」

寂しそうな顔をして、涙を溜める千紗。

「えっ、あっ…そんなんで泣くなよ!」

「そんなんでって…渚ひどいよ!もういいもんっ!渚なんか大ッ嫌い!」

千紗は窓を思いっきり閉め、カーテンを引く。