「尚、思い出したよ。私、尚のことが…」

昨日、夢に出てきた。

そして、すべてを思い出せた。

「芽衣…」

ぎゅっと…力強く、

何年…何百年の思いを踏みしめるように、

尚が私を抱きしめる。

「芽衣、俺…今でも愛してる。」

「私も、愛してるよ。」

「芽衣…。」

そっと目を閉じ、キスをした。

甘くて、しょっぱい涙の味がしたキス。

『これからも、愛し合って…』

そんな声が耳元でした。

気のせいではなかった。

「芽衣、天使が祝福してくれてる。」

上を見上げると、満天の星空に、

真っ白な雪が舞い降りている。

その雪は、まるで、天使の羽のように…。

   END