お父さんのことはあんまり覚えてない


私が小学校に入学する頃には、
『お父さん』はいない人だった……



そんなに前のことだから、
私は顔も覚えてないし



お母さんが新しい恋をしてたとしても、
別になんとも思わなかった。



思わなかった、はずなんだけど……





「まさかほんとにしてるなんて……」






自分の部屋のベットに腰をかけて携帯を開いた



写真フォルダには、お母さんらしき人と
男の人の写真。



茜が塾の帰りに偶然見たって写メくれた




「素直に喜んでいいのかなぁ……」