「春谷家どの辺?」


「えっと、ひまわり幼稚園の近く」


「んじゃ、こっちのが近いな」


っていいながら
中藤君は私を引っ張りながら
細い裏道に入った

「え?こっちじゃないの?」


私はさっきまでいた道を指差した。
だってこっちの道、暗くて狭い、怖い。



「近道。何?怖い?」


「うん、こわっ・・・い、いや。大丈夫・・・」


「ははっ、んじゃしっかり握ってな」


私の手を握る中藤君の力が強くなった


「大丈夫。なんも出ねーよ」


「う、うん」


私もさっきよりぎゅっと手を握りかえした

今度は私が中藤君に向かって
精一杯の笑顔で。