-茜 side-



「私もね、中藤君と付き合うことになったんだ」



今度は私がびっくりして
お弁当落としそうになった。




「・・・じょ、冗談?」




「ちがうって、ほんとに」




・・・両思いだってことは分かってたけど、
まさかこんなに早く付き合うことになるとは
思ってなかった・・・



「どっちから言ったの?」



「んー・・・っと、私?になるのかな?」



「・・・なにそれ?」



「私がノートに『好き』って書いたのを
偶然見られちゃった感じ・・・かな?」




・・・状況把握。
なんとなく分かった・・・



「それで勢いあまって中藤君だって言っちゃったんだ?」



「う、うん」


まさか私の後ろでそんなことがあったなんて・・・
中藤君の声聞こえた気がしたのは
やっぱり空耳じゃなかったのかぁ・・・