「うん」



たった一言そう言って、小さく頷く。


エルは満足したように、唇の端を上げて笑った。


「そうこなきゃな?何のためにお前を助けたのか分かんねぇし」


「え…何のため?」


「奴隷…、もちろん仲間にするために決まってんだろ?」


「ちょっ、今思いっきり奴隷って言ったでしょ!」


「あん?耳おかしいんじゃねぇの」


そこから"いつも"の日常に戻るには、簡単だった。


ただ、いつもと少しだけ違ったのは―――…


「エル、リオ…何かいるよ」


アスティの声に振り向けば、そう。



「やぁやぁ君たち、ちょっと話があるのじゃが…」



白髪に着物姿の、何かが―――いた。





どうやらあたしには、日常という言葉は似合わないらしい。