予想していなかった言葉に、あたしはぱちぱちと瞬きを繰り返す。
その反応に、ユーリが可笑しそうに笑った。
「あはは、やっぱり勘違いしてたんだ」
「勘違い?えっ?」
見事に混乱しているあたしに、ユーリはさらに爆弾を落とす。
「あたしが好きなのは、リュウさんだから」
「!?」
リュウさん?でも、昨日だってリュウさんいたのにエルに抱きついてたよね?
真っ直ぐに廊下の先を見つめていた視線が、スッと床に落ちる。
「…もう、十年越しの片想いだけどね。エルは弟みたいな感覚なんだけど…リュウさんのあたしに対する気持ちも、きっと同じ」
ユーリは、リュウさんが自分のことを妹みたいだと思ってると言いたいみたいで。
リュウさんをよく知らないあたしは、何も言えなかった。
「でも…いいの。今日が無事に終わったら、ちゃんと想いを伝えることに決めた」
そう呟いて、ユーリはパッと顔を上げた。
「…と、いうわけだから!もうあたしのこと睨まないでね!」
「にら…えっ、睨んでた!?」
「やだ、無意識?」
睨んでなんか…あ、アスティに変な顔してるとは二回ほど言われたっけ。


