「エルが後ろにいてくれなかったら、今頃頭打ってたね、あたし!」
…大丈夫。きっと上手に笑えてるはず。
ほら、エルの表情が、どこかホッとしたように緩んだから。
「…ったく、感謝しろよ 。ただでさえ空っぽの脳みそが、無くならなくて良かったな」
「…エルに空っぽとか言われたくないんですけど」
「あん?」
そこでぷいっと顔を背ければ、いつものあたしたちの出来上がり。
いいんだ、これで。あたしとエルの関係は、口喧嘩するくらいがちょうどいいんだから。
だから、涙なんて出ないでーーー…
「ーーーエル、リオに髪飾り選んであげたら?」
アスティのその言葉を聞いて、涙はお願い通り引っ込んだ。
ぱちぱちと瞬きをしてアスティを見ると、微笑んでから言葉を続けた。
「だってほら、リオにこの色は似合わないし。でもせっかくだから、エルが選んでプレゼントしてあげたらいいと思って」
ーーーあ。そうか。
アスティにはあたしの気持ちなんかお見通しなんだ。だから、そんな提案してくれてるんだろうけど…。


