そして、俺の視線に気付くとすぐ、転がったペトの実を慌てて拾い始めた。
「と、とりあえず無事でよかった!」
「……おい」
「ごめんね、あたしがコケたせいかも…っ」
ちびっこの左手を、掴む。
拾いかけていたペトの実が、小さな手を逃れ…落ちた。
「……無視すんな」
「し…して、ないよ?無視なんて…」
「じゃあ何で、目合わせようとしねぇんだよ」
掴んでいた腕が、ピクリと反応した。
そのまま黙って見つめていると、ちびっこがゆっくりと顔を上げる。
「………ごめん」
唇を噛んで、苦しそうに。思わず心臓を押し潰されそうになる表情を、俺に向けた。
「あたし…意識、しすぎちゃって。バカだよね、本当」
あはは、と無理矢理に笑う顔から、目を逸らしたくなった。
目を逸らすなと言ったのは俺で。逸らしたくなる顔をさせたのも、俺だ。


