夜が明け、うっすらと白んだ雲が空を漂う。
薄暗さを残したままの森に、耳を貫くような奇声が響き渡った。
「きゃ――――――ッ!!」
振り向く気力すら沸かないが、それでも視線を向けてやる俺は、出来る人間だと思う。
「うるせえ。朝から何だ」
「…え…エル!?何で、あれ??」
言うまでもなく、奇声を上げた本人であるちびっこは、頭が混乱しているらしい。
バカっぽい面で俺を見たあと、きょろきょろと辺りを見渡した。
「ここどこ…、洞窟?そっか、あたし昨日…」
思い出したのか、一瞬明るくなったちびっこの表情。
けどそれは本当に一瞬で、すぐにピシッと固まった。
「………」
「どうした」
「……あ…、や、うん。何でもない」
…あからさまに視線背けて、何でもないとかふざけんな。


