はぁ、ともう一度ため息を漏らす。
…原因は、分からなくもない。
「………おい」
呼び掛けてみても、返事はない。
この短時間に寝たか、それとも寝たフリか。
「お前が言ってる好きってのは、仲間の意味か?…男女の意味か?」
ザワザワと音を立て、木々が揺れる。
虫の鳴き声一つない静寂が闇を包んだ頃、ポツリと吐き出されたのは。
「………エルの、バカ」
さっきと同じ、一方的な言葉。
けどさっきより、哀しそうに聞こえた。
俺は何も言えず、ただ暗闇へと視線を向ける。
…愛だの恋だのは、俺の不得意分野だ。
愛されずに生まれた人間は、きっと。
誰かを愛する気持ちさえ…分からない。
見上げた先の星空が、やけに眩しく映った―――…


