エルのことは、好きだよ。
アスティも好きだし、クリスも好き。
…けど、ときどきだけど、あれ?って思うことはあった。
エルのこと、知らないうちに信頼するようになっていて。
たまに見せる柔らかい表情に、心臓がどくんとなったりして。
さっきだって…エルを"仲間"じゃなくて、"男のひと"として意識してた。
「………」
前を歩くエルの後ろ姿を、黙って見つめる。
…いつからか、この背中を逞しいと思った。
力強い言葉に、安心するようになった。
それは何で―――…?
「いいか。ここで」
気づけば、エルが立ち止まって、あたしを振り返った。
驚いて、心臓が飛び出そうになる。
エルの先に、見えるのは…洞窟?


