「こいつを街に一人で出歩かせたら、何が起こるか分かったもんじゃねぇぞ?」
「な!失礼ねッ」
頬を膨らませて怒ってはみたものの、確かに一人は不安になる。
ちらりとアスティを見ると、微笑まれた。
「もちろん、リオは一人じゃ危ないから、二手に分かれよう。情報収集も兼ねて、ね」
「…ま、それならいいけど」
アスティの言う通り、情報も分かれて聞き出した方が効率が良い。
何より、一人じゃないってことで安心する。
「じゃ、さっさと集合時間と場所決めようぜ」
エルはそう言ってから、「場所はここでいいか」と換金所に視線を向けた。
「うん。場所はここで、時間はとりあえず…三時間後でどう?」
「分かった」
目の前で交わされるやり取りを、黙って聞いていたあたしは、ふと疑問を口にした。
「どっちがあたしと一緒に行ってくれるの?」
その問いに、エルがあからさまに眉を寄せた。
…そんなに嫌がらなくても。


